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第40回いばらきのくすり展

茨城県病院薬剤師会「こども調剤体験コーナー2018」を開催して

茨城県病院薬剤師会 くすり展担当 柴田 亨

「こども調剤体験コーナー」の写真


 毎年10月17日から10月23日までの1週間は「薬と健康の週間」になります。この期間は、全国的な規模で医薬品を正しく使用することの大切さ、そのために薬剤師が果たす役割の大切さを一人でも多くの方に知ってもらうために、積極的な啓発活動が各地で行われています。
 茨城県においても期間中には当事業の一環として2日間に渡って「いばらきのくすり展」が毎年開催さ れています。当イベントは、本県の製造所で生産される医薬品、医薬部外品、化粧品などを紹介するとともに、各関連企業や団体の参加により薬に関する理解を深めるクイズラリーやこども理科教室、調剤体験などの様々なイベントが行われています。本年は10月20日(土)、21日(日)に「いばらきのくすり展」が昨年と同会場のイオンモールつくばで開催されました。
 幸い両日とも天候に恵まれ、地域の皆様に多数のご来場をいただきました。茨城県病院薬剤師会では、薬や薬剤師に関しての正しい知識や理解を深めいただく為、当イベントに毎年参加しています。当初は対面式の服薬相談ブースを開設して会員が地域の皆様に対して薬関連に対する 相談応需や病院薬剤師業務の紹介を中心に活動していましたが、平成 20年より調剤機器メーカーのご協力をいただき、実調剤機器を設置して「こども調剤体験コーナー」をメインに参加しています。
 例年「いばらきのくすり展」の中でも茨城県病院薬剤師会の当ブースは、参加した皆様や参加団体より高い評価をいただいております。「こども調剤体験コーナー」は、実際に小中学生を対象にお菓子(ラムネやミントなど)をお薬に見立て、調剤作業(受付問診→薬袋作成→計数調剤→計量調剤→分包→監査→服薬指導(お薬手帳の交付、説明)をしていただきます。調剤支援システム、自動錠剤散剤分包機も薬科機器メーカーさまのご協力をいただいて医療現場と同様の実機を使用しますので、身近に臨場感のある体験ができる仕掛けとなっています。
 開催の度に委員の先生方では、よりインパクトがあって喜んでいただけるような新たな企画を模索して参りましたが、2年前より、白衣メーカーのご協力が得られて小児用白衣を準備する事が可能になりました。導入後は、参加された子供さんが実際に白衣を着用しての調剤体験となりますので、視覚的なアピールや子供さんのテンションが上がり、記念の写真撮影が格段に増えて参加したご家族の皆様には、より楽しんでいただける企画となった印象があります。また、更に今回は調剤体験待ち時間等の有効利用策として、従来から実施している注射薬の配合変化の解説コーナーに加え、新たに、昨年に発案されましたが未実施でした『錠剤の製剤特性』の解説コーナーを設置しました。
 これらは、実際に錠剤のサンプルを各種類準備して、溶解や崩壊を実際に見学していただき、それらの製剤学的な特性を薬剤師が解説することで、薬に対する興味をより持っていただく取り組みです。当コーナーでは、新任研修会でも手腕を発揮されている某先生のプレゼンが大変な盛況で、多く の方に喜んでいただける機会となったようです。開催両日については、本年も公募でエントリーいただいた先生方と実行委員(20日:12名、21日:14 名)で対応させていただきました。
 私は体力的…な事もあり初日のみの参加でしたが、開会式後の記念撮影を終えて、スタッフ皆で当ブースに戻った所、すでに一組の親子(小学3~4年生の女の子とお母様)が待っておられました。昨年も参加されたそうで本日の参加をとても楽しみにしていたそうです。子供さんのはち切れそうな笑顔とお母様の嬉しそうな表情を拝見して、安らぎと喜びとモチベーションが上がったのは私のみならずスタッフ皆で共有できたのではと思っています。午前中には、男の子3兄弟(6歳・3歳・8ヶ月)を連れたお母様が来られました。長男-流石にしっかりしている、二男-わんぱく盛り、三男-母に抱かれて安らぎ中…私は二男を担当しましたが最後のアンケートの際、問1~3までは、思いっきり肯定していたのに、最後の問い(薬剤師になりたいか?)ではしっかり否定されたのには、周りの大人一同大爆笑でした。また、お母様にアンケートをお願いした際には、三男を預かって欲しいとお願いされ、自身で対応させていただきましたが、ご信頼をいただけた上での触れ合いは感慨深いものがありました。午後には、行列ができて待ち時間が 30分以上になり整理券での対応となりましたが、配布した皆さん全員が再度来られて参加されました。2日目では、イオン開店前から、当ブース参加目的の方で入場口前に行列ができ、初日以上に多くの方々が来られて大盛況になりました。両日での調剤体験参加者は、300名を超える結果となっており家族を含めると800名近い方々が参加されました。スタッフ一同、トラブルや事故もなく、無事に楽しく開催できました事、安堵とともに深く感謝しております。
 当日に撮影した写真を併記しますので、是非、参加者、スタッフの様子やブース会場での雰囲気を会員の皆様にも感じていただければ幸いです。 昨今、医療についても地域での人同士の結びつきや連携をより求められる時代となってきました。当ブースには親子のみならずお孫さんと祖父母さまも多く来場されました。世代を超えて地域の皆様が触れ合い共有できる機会は大変貴重であると思われます。アンケート(別掲)の結果をみても、まだ、病院薬剤師の仕事、役割、スキルが十分に認知されていない部分が多々あると思われます。多くの方々に薬剤師について、職能のご理解をいただき、ご利用いただく事で医薬品の適正使用や医療安全に繋がる導きのきっかけとなれば「薬と健康の週間」の十分な啓発行動に当活動はなりうるものと思います。医療の知識や健康な生活を通じての人同士の結びつきがより必要とされてくる将来に、当活動が地域の皆様、さらに次代を担う金の玉子達に病院薬剤師や医療に対してのご理解や興味を持っていただけるきっかけとなれば幸いです。
 来年度も当イベントでは、会員の皆様よりスタッフの公募を行う予定です。特に次代を担う会員の皆様のご参加を宜しくお願い致します。また、ご子息・ご息女のいらっしゃる会員様をはじめ地域の皆様には、ご家族等でのご参加をスタッフ一同、心よりお待ちしております。当企画についてのご意見、ご指摘等も委員までご連絡いただけましたら幸いです。最後になりますが、開催にご協力いただきました関係各位の先生方、ご支援いただいた関連業者の皆様、参加していただきましたすべての方々に心よりお礼申し上げます。

 

企画:新井克明、柴田亨、高橋昌也、髙橋正明